「ハウルの動く城」

無料チケットをいただいたので娘と見てまいりました。
開始20分で「くやしいけどやっぱり駿にはやられるぜ…」と胸高鳴り昂揚し、ラスト10分で「ええええええええ? やっぱり駿にやられた!」と呆れ脱力する、そんな映画でしたが、もともと1ミクロンも見にいくつもりはなく期待がゼロ以下だったせいか、素直に楽しめました。以下メモ。



夢のようなお話でした。
空中散歩や風を切る飛行、ドアをあけて眼前に広がる風景、フェティッシュに描かれた城の動く様、そして美少年。まさに夢。中学生女子の見る夢。これは1シーン1シーンを夢のようにうっとり楽しむ感覚的な映画なのだと思います。
夢だから、背景が不明でも展開が突飛でも登場人物の行動根拠がわからなくても「そんなもんか」と脳内補完で納得できます。それが夢。むしろ夢のわりにはストーリーがしっかりしているといえましょう。
それにしても宮崎アニメの飛ぶシーンは本当に素晴らしいね。幸せになります。そいういえば、飛ぶ夢をしばらく見ない



いやらしいお話でした。
いきなりハウルセミヌードとか。いいの?ねぇこの半ケツいいの?って感じです。あからさますぎます。
いやらしいといえばなんといってもサリマンのいやらしさにゾワゾワです。宮崎アニメでも屈指のいやらしい悪玉キャラではないでしょうか。加藤治子の声がまた。こえぇ。こえぇよ。
マルクル以外のキャラは全員相当いやらしいと思います。



声のキャスティング、巷では賛否あるようですが私はかなり賛派です。
何をやっても「キムタク」だろうとみくびってマイナス期待しかしていなかった木村拓哉が、下手さも込みでハウルにばっちりはまっていました。見直した。こりゃ美輪さまも褒めまくるってもんです。みっちーにはできない演技だよなぁ…くやしい。
マルクル神木隆之介くんも素晴らしい。かわゆらしい。我が家ではいまだに「しょう君」(ドラマ「QUIZ」の役名)と呼んでいますが、巧いねぇ日本一忙しい子役。
しかし大丈夫なのかねこの子は。ケンちゃんみたいになるなよ。顔の傾向からいくと河相我聞になる可能性も高いので注意だ。テレビで見るたび顔色が悪くなってるけど、ちゃんと寝るんだよ。成長期なんだから。



というわけでタダのわりにはかなり楽しませていただいたのですが、観客動員数一千万人超最速大ヒット!感動!とかいうのはわからないかも。不親切フェチ映画なのに。