まだ漫画の力を信じています

インフルエンザで隔離病床に伏せていた数日間、山岸凉子の短編集数冊、吉田秋生「カリフォルニア物語」、前川つかさ「大東京ビンボー生活マニュアル」など、漫画文庫をぬくぬくゆっくりたっぷり読みかえした。
久しぶりに「カリフォルニア物語」読んだけど、面白かったー。今の連載よりずっと充実してる気がする。やはり吉田秋生は、コレとか「楽園シリーズ」とか「河よりも長くゆるやかに」とか「桜の園」とか等身大の登場人物の頃の方が断然面白いと思う。アッシュ以降のセイやアリサなどは超人すぎてかえってのっぺり感じられてつまらない。「BANANA FISH」は魅力的なキャラが脇をがっちりかためていたから主人公の超人っぷりも許せたけど、それ以降はちょっとなぁ…。スーパーキャラにドキドキワクワクできたのは「吉祥天女」の小夜子までかも。なんだろ、キャラクターの葛藤に共感できないから?
最近、ずっと大好きで読みつづけてきた漫画家さんの作品について、読みすすむうちにおかしなところが「あれ?」「あれ?」と増えていったり、心にひっかかる箇所がまったくないまま読み終えてしまったりして、ふと気づくとおそろしくつまらなくなってて愕然、ということが多くてとても辛い。たとえば他に清水玲子とか西村しのぶとかさ。まだがっつり期待しているだけに悲しいのです。さくらももこ内田春菊のように完全に駄目だと判断できれば見限れて楽なんだけど…。
そういう意味で山岸凉子は本当にすごい。素晴らしいです。