「対岸の彼女」角田光代

対岸の彼女

対岸の彼女

こどもの日、家族以外とまともに言葉をかわすのが1ヶ月ぶりという激しく渇いた状況で久しぶりに会った愛する友人から「ものすごくクるからぜひ」と薦められたので、旬ははずしているが読んでみた。
キた。
もう読んで数日たっているのだが、思うところありすぎて冷静になれない。
書評には「読み終わって元気がでた」という感じのものが多く見られるが、全然元気になんてなれなかった。少女の彼女たちの心の動きに胸を傷め、大人の彼女たちの関係の今後を思ってまた胸が痛む。特に少女期の描写がリアルすぎて鮮やかすぎて切実すぎてヒリヒリする。でもそれは同世代の風俗へのノスタルジーってだけじゃない。そんなのは些細なことでそんなんじゃない。じゃあなんなんだ?なんでこんなに胸をかきむしられるような気持ちになるんだ。とりあえず「立場の違う女の友情は成り立つか」なんてつまらないテーマじゃないよね、この話。


漫画以外をここにあげるのは珍しいが、私のなかでは「女の子ものがたり」別バージョンという分類がなされたので。