傷つけられた症候群てやつかい

夕食中、何度言っても遊びながら食べるのをやめない娘をきつく叱った。「どうしていつもこんなふうに怒鳴られるまでやめないの!」と問いただしたら泣きそうな顔で一所懸命必死で考えたあげくこう答えた。
「…やんちゃだから」
思わず吹き出して「ナイスナイス。今の答えはいいねー」とゲラゲラ笑ったら、みるみるうちに顔がくしゃくしゃになって大泣きしはじめた。彼女なりに真剣にだした答えなのに馬鹿にされて傷ついたという。
いやー、笑うって。面白いもん。笑っておかあさんの怒りが鎮まったんだからいいじゃん。だいたい怒られてる時は黙〜ってむっつりしてた人が、ちょっと笑われただけで傷ついた!と大げさに騒ぐのはいかがなものかね。こんなささいなことで傷つく弱っちい人間でどうする。
と、小2女児に説教してみたが、和解にいたらず。こうやって親子の溝というのがうまれていくのだね。

そういえば私が彼女の年の頃、やはり叱られたかなんかでアンニュイ気分になり外塀の上によじのぼり座って夕暮れの町を見ながらたそがれたことがある。母と兄が心配して声をかけてきたので「ひとりぼっちにしておいて」と答えたら大爆笑され、激しく傷ついた。彼女もそんな気持ちだろうか。いや、明らかに私の方が恥ずかしいな。笑うだろ普通。笑う笑う。